命のカウントダウン

1954年生まれ老医師のぼやきです。

医学の進歩は凄いですね。それに日本人が大きく貢献している事に誇りを感じます。

世界で初めて人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞シート「リハート」の移植手術を受けた神奈川県の50代女性が21日、大阪市内で会見に臨み、「世界初の手術を受けられて光栄。今後に期待しかない」と声を弾ませたとの事です。素晴らしいですね。

 

偶然なのでしょうが、今日、どこかで見覚えのある素敵な中年女性がインフルエンザワクチンを受けに来られて・・・・帰りがけに

「先生に心不全を見つけていただいた息子、心臓移植手術を受けた後無事に大学を卒業し、現在〇〇に就職し、九州でとても楽しく生活しております。ありがとうございました。」

と、言っていただKました。

10年ほど前になりますか。彼は受験のための健康診断を受けに坂根医院に来たのです。とても軽い気持ちで来られた様でしたし、こちらも「問題なし」と書いてお渡しすると思っていたのですが、アレッおかしい と思ってしまいました。脈が速いのです。

 

脈:心拍数って60~90が正常です。彼の心拍数は120/分を超えていました。

彼にそれを伝えると「自転車で慌てて来たので。」と、言いました。

そうなのか と 思ったのですが、10分ほど安静にしてもらっても、心拍数はやはり110を超えていました。

 

心電図をとっても、頻脈以外の異常はありませんでしたが、レントゲンでは中程度の心拡大を認めたので、心筋症及び心不全疑いで大病院に紹介しました。

 

送った病院から「重症なので次の病院に送った」というような返事が2通ほど着た後、病院からの連絡は無くなりました。たまに予防接種などで来られるお母さんから、「〇〇〇病院で補助心臓を付けながら、心移植を待っている。」「病室で大学受験させてもらった。」など壮絶な話を聞いてはいました。

 

その後、彼は大学に合格し、そして心臓移植手術も受け、元気に日常生活を送れるようになったのだそうです。自転車を漕いで、ハアハア言って愉しく過ごしておられるとの事でした。

 

私、見つけた時の彼の症状と日本の医療の状態では、現状のような明るい状況は全く想像していませんでした。本当に素晴らしく素敵です。

 

私、正常ではない事を指摘しただけですが、それを感謝していただけるのは、心移植という超難行を成功していただいた素晴らしい移植チームの力があったからでしょう。

日本が得意なのは肝移植だと思っていたのですが、心移植も5年生存率93%と世界トップクラスなのだそうです。本当に誇らしいですね!!日本の医療、ばんざーい!!!